園長コラム
子育ては自分育て
2月の冷たさを乗り越え、暖かい日が続いております。一雨ごとに暖かくなっていく時期ではありますが、今週末の親子遠足に影響がないようにと願っています。
さて、今年度最後の園長コラムになりますが、ある年長児(Aちゃん)のお話をしたいと思います。私は3年前に、今回の3月号をこの内容にしようと決めておりました。
Aちゃんは年少組から新入園児として入ってきたお子さんでした。本人もドキドキワクワクだったでしょうし、第一子ということもあって、ご家族の皆様からも新たに始まる園生活への大きな期待を感じておりました。入園式を終え、ゴールデンウィーク明けの最初の参観日。そこで予想していなかった出来事が起こります。保護者が大勢いることにびっくりしたのか、保育室から抜け出して、ばら組横のバス通用門の辺りまで一人で離れて行ってしまいました。保護者のお二人は、なんとか保育室に戻ろうと説得しています。私達も「ママとパパと一緒でいいんだよ~」と声を掛けますが、なかなか首を縦に振りません。保護者のお二人は、親子で楽しむはずだった最初の参観日が期待していた状況にならなかったことに肩を落としていましたが、ふと、お父さんが発した言葉が忘れられません。「僕も、こういう子だったんです・・・」。本当にそうだったのかは分かりません。でも、そうご自身に言い聞かせて、納得しようとしているように感じました。私もその姿と、力及ばない自分達に胸が苦しくなったのですが、同時に、Aちゃんが笑顔で卒園していく姿を思い浮かべながら、こちらのご家族にとってこの3年間が充実した時間となるよう頑張ろうと思ったことを覚えています。もう間もなく卒園を迎えますが、3年間で大きく成長したAちゃんは、今では遠くから笑顔で「園長先生~!」と手を振ってくれます。
小さい子の行事の時によく申し上げますが、子育ての中では、「こんなはずじゃなかった」ということに出会うことがあります。その時に、「あの頃はそんなこともあったね~」と後で振り返ることができるようになるには、自分や誰かを責めるわけでもなく、その状況をそのまま受け入れていくことが大事だと思います。「コレコレこうやって子どもを(状況を)変えなくては」と思うと負担に感じますが、「子育てはいつかきっと終わる。その時に”私は自分なりに頑張った“と言える自分でありたい」と思えると、少しだけ肩の力を抜いて子育てと向き合える気がします。けいこ先生は『子育ては自分育て』と言いました。子ども達だけでなく、職員も保護者もみんなで成長できた1年間になったことを嬉しく思います。
そして、その一緒に成長してきた仲間達との別れの時期でもあります。
たまご組オープニングスタッフのさとこ先生、そして、ほのか先生、今まで本当にありがとうございました。どうかいつまでもお幸せにお過ごしください!
最後に、卒園される子ども達や退職される先生方に素晴らしい未来が訪れることを心よりご祈念申し上げ、次の学年に進級する子ども達の成長を願い、今年度最後のコラムとさせていただきます。1年間ありがとうございました。
園長 三宅貴之
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